【今求められている教育について】思考力や実行力を鍛えよう(イニシアチブのある子を育てる)

生き方

僕は大学院に進学後に教職課程を受講しはじめ、現在は教員免許を持っています。

また、かれこれトータルで7年以上教育に関わり続けています。

具体的には、

  • 家庭教師の生徒数:7人(最長4年)
  • 塾や高校での生徒数:約200人(最長7年)

です。

また僕自身は理系の大学院を卒業しており、アメリカのスタートアップ企業で働いたこともあります。

そんな僕が考える「今求められている教育」について、今回はお話します。

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社会で求められている能力

それは簡単に言えば「思考力」と「実行力」です。

今の時代、Google先生のおかげで、基本的に調べればどんなことでもわかります。

そこで重要になってきたのが、その調べたことから“思考し実行に移せるか”です。

もちろん“思考だけ”ができても、“実行だけ”ができてもダメでして、両方できることが重要です。

僕のお世話になったカリフォルニアのスタートアップの社長も以下のような言葉を仰っていました。

「言われたモノを作るだけのエンジニアでは需要はない。自分から考え意見を出せるエンジニアをどの企業も求めている」

このように人手不足が叫ばれているエンジニアでさえ、「思考力」と「実行力」が求められているのです。

ということは他の職種なら尚更ですよね。

そして、もちろん「自分で調べる力」も重要になります。

「自分で調べる力」がなければ、そもそも“思考し実行に移す”ことはできないからです。

これからの世の中は、この「自分で調べる力」の有無が、その人の人生に大きく変えると言っても過言ではありません。

「自分で調べる力」についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのエントリーをご覧ください。

社会で求められている力は「思考力」と「実行力」である。
「自分で調べる力」も重要である

「思考力」と「実行力」のある人を社会は求めていると言いましたが、もう少し難しい言葉を使うと「イニシアチブのある人」を社会は求めています。

イニシアチブとは「自分から行動するマインド」のことです。

自分から行動するためには「思考力」や「実行力」も必要であるため、イニシアチブにはそれら両方が含まれていると言えます。

イニシアチブについて気になる方には、こちらのエントリーもおすすめです。

教育現場の実状

ハッキリ言いますと、今の”教育現場の常識”は実際の”社会の常識”と大きくかけ離れてしまっています。

僕は進学校を謳っているとある高校で教育実習を行い、そこで初めて高校教育の現実を目の当たりにしました。

僕はその高校の出身者でもあったため、その高校にお邪魔したのは当時6年ぶりでしたが、驚くことにその6年の間で教育方法は全く変わっていなかったのです。

一方で、世の中はこの6年間で大きく変わっていました。

スマホはほとんどの高校生が持っており、PCを使えない人のほうが珍しいですし、Googleを使えば基本的に何でも調べることができます。

今の時代、ネットの利用が前提で物事は進んでいます。

そんな時代なのに、実際の教育現場は2017年当時で

  • 授業中のスマホ利用を禁止(Google検索できない)
  • 暗記に頼った指導法(Googleで調べれば一発でわかることを暗記する意味はあるのか)
  • 何かを思考し実行する時間が全くない(試験のための思考は、本当の意味での思考ではない)
  • 学校所有のほとんどのPCは古く、ウイルスにも感染(印刷時に僕が利用するように言われたPCはWindows2000でもちろんウイルスに感染していた。一応ローカルネットワークなので情報の流出はないと思われる)
  • PCが必要な先生は自費で購入し利用
  • ネットに接続されているPCは数台だけ(情報漏洩を危惧し、あまり利用されていない)
  • 生徒はもちろんのこと、先生が利用できるWi-Fiもなし
  • 半分以上の先生方は能力的にPCの利用不可(理系の先生ですらパワポを使えない)
  • 予算の問題で子どもたちが使うPCはLinux(これはある意味スゴイのですが…笑)

という状況でした。

もう本当に訳がわかりません(笑)

もちろん今の受験システムのことを考えれば、生徒にある程度の暗記をさせることは必要でしょう。

しかし、授業中のスマホ利用を禁止することは僕は全く理解できません。

学校側は授業中のSNS利用などを避けたいという思いはあるのでしょうが、それでも疑問に思ったことをその場ですぐにネット検索できるメリットのほうが大きいです。

また僕は、自分の専門教科以外の授業見学も行っていました。

そこで感じたことはどの教科でも、生徒たちは受験のための勉強をしており、社会に出た際に必要な「何かを思考し、それを実行する」経験が全くできていないということです。

これは先生方にも少しは問題があるかもしれませんが、大きな影響を与えているのは現在の受験システムだと思います。

生徒にとって受験はとても大切なものであり、先生方もそれを応援したいので、どうしても受験のための勉強になってしまいます。

そして学校としても生徒獲得のため受験成績を上げたいという思惑に駆られますので、それもあって「受験のための勉強」になってしまうのです。

次に教育現場におけるITの活用についてですが、僕は理系大学の出身であることもあって、上記の状況に唖然としました。

今の時代、ネットを利用できない環境なんて、一般人であれば「え、おかしいでしょ」と言いたくなりますよね。

それが生徒だけならまだしも、先生たちですらWi-Fiが使えない状況であるとなると、正直言葉を失います。

さらに加えて、ローカルネットワークではあるもののPCはウイルスに感染しているという状況です。(ちなみに、僕のUSBはウィルスに感染しました。)

もう開いた口が塞がりません。

正直、ちょっとしたミスにより生徒の個人情報が流出する可能性すらある状況だと思います。

ちなみにウイルス感染については、ITリテラシーの低い先生方のUSBがウイルスに感染していることが多いと、現場の先生からは聞いています。(どんな方たちかはご想像にお任せします)

こんな状況のなか、文部科学省は2022年から高校でもプログラミング教育が始めようとしているわけですが、

それ以前に、教育現場へのITリテラシーを浸透させることや、ネット環境を整えてネットを上手く活用させた授業を推進することの方が重要だと僕は思うのです。

ここまでお話してきてお分かりになるかと思いますが、教育現場には実際の社会の常識が通用しません。

この原因は一概にこれと断言はできません。

もちろん教員自体の質ということもあるでしょうが、それだけでは片づけられないのです。

国が付ける教育の予算が足りないことや、教員が忙しいため新しいことを学ぶ時間がないこと、年功序列による若い先生への仕事集中など、本当に様々な原因が関わり合っています。

これが教育現場の現状です。

教育現場は時代の変化に全く追いつけていない
今後も教育現場と社会との”常識の差”は広がり続ける

余談になりますが…

実は、僕は教育実習生という立場でありながら、生徒たちに時々スマホの利用を許可していました。

これについては、もちろん指導についてくださった先生の許可をいただいていました。

その先生は僕の授業スタイルを受け入れてくれたうえにかなり柔軟に対応してくださり、本当に僕は感謝しきれないほど感謝しています。

また僕が情報系の大学出身ということもあり、物理の授業で「SNSの使い方や危険性」について話すことを許可していただいたこともありました。

この先生のように、教育現場には社会の実情を踏まえて教育を行おうとする先生もいらっしゃいます。(そして、そのような先生ほど苦労なされています)

なので短絡的に「教員はみんなダメだ」という認識は持たないようお願い致します。

今求められている教育

教育界では、日本の教育は海外に比べて10年遅れていると言われており、人によっては20~30年遅れているとも言っています。

そんな教育現場を実際に目の当たりにした僕は、正直なところ、教育現場に「子どもの教育を任せきりにする」こと自体がリスクだと思っています。

そしてまた、教員免許を取得した今思うことは、教育現場は国にとっての「壮大な実験場である」ということです。

最近だと「ゆとり教育」があり、その後は「アクティブラーニング」が続き、これから「英語教育」と「プログラミング教育」が始まります。その先はおそらく「STEM教育」が続くでしょう。

そしてすでに「ゆとり教育」と「アクティブラーニング」は失敗に終わりました。

おそらく2020年から始まる「英語教育」や「プログラミング教育」も今のままでは「ゆとり教育」などと同様に失敗に終わるでしょう。

そんな実験に、僕自身は自分の子どもを参加させたいとは思いません。

では、どうすればよいのか。

答えは簡単で、親御さんはお子さんに「自分たちで物事を調べ、考え、実行する」機会を用意してあげましょう。

PCを買い与え、お子さんに興味のあることを追及させます。

その興味がたとえゲームのように世間的にはイメージが悪いものだとしても、好きにやらせてみることが重要です。

もちろんただPCを買い与え放置するのではなく、必要なときは手助けをしてあげます。

「専門知識のある人の手助けが必要であれば、そのような人を探すことを親が手伝ってあげる」というように必要なときに必要な環境を用意してあげることが大切です。

またお子さん自身に専門知識のある人を探させてみることもよいでしょう。

「どうすればそのような人たちと繋がれるのか」

それを考え、行動することも教育の一環になります。

ハッキリ申し上げると、今の教育現場の状況では、学校に任せていても子どもたちが社会を生き抜くための力を身に付けることは期待できません。

これからの時代を生き抜くために今求められている教育は、子どもたちが「自分たちで物事を調べ、考え、実行する」機会を与えることなのです。

それが結果的に社会に求められている「思考力」や「実行力」を養うことに繋がります。

教育現場は壮大な実験場であり、そのような場に子どもの教育を一任することはリスクである
今求められている教育は、子どもたちに「自分たちで物事を調べ、考え、実行させる」教育である。

最後に

教育は子どものその後の人生を大きく変えます。

つまり教育は投資でもあるのです。

親御さんはその投資先を間違えてはいけません。

周りに流されて「とりあえず良い高校に」や「とりあえず良い大学に」というように親御さん自身の“安心”に投資することはオススメしません。

あくまで“子ども”に投資をするのです。

塾に無理矢理行かせるくらいなら、お子さんに自分専用のPCを買ってあげましょう。

そして、お子さんが興味を持っていることに取り組める環境を用意してあげてください。

今の時代、昔より多くの企業が「学歴より実力」を評価してくれます。

お子さんの「実力を付ける」、もしくは「実力を付けるための素養を鍛える」ことに親御さんは協力してあげてほしいなと思います。

また、もしお子さんの教育について悩み事等があれば、ツイッターにてお気軽にご相談ください。可能な限りではありますがご相談にのります。

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