まず先に伝えておきたいのが、僕自身は感性を大切にして行動するタイプです。
そんな僕は、これまでに色々な方の「言語化することは大切だよ」というお話を聞いてきたわけなのですが、その大切さがあまりしっくり来ていませんでした。
ですが、3年半くらい前から言語化の大切さを痛感し始め、考えていることを言語化するようになりました。
今回はその経験を元に、言語化の重要性についてお話していきます。
言語化の重要性を認識できなかった理由
僕は先ほども述べたように“感性”を大切にして行動します。
また僕はエンジニアでもあり、自分で事業をやっていくこと(起業家)を目標にしています。
そして僕の実家は自営業です。
簡単に言えば、これらが「言語化の重要性」の認識を阻害していました。
具体例を使って説明します。
以下は、一般的に言語化の重要性を説く際に用いられる理由と、それに対する僕の反論です。
- 自分の考えが分からなくなった際に立ち返ることができる
→ (そのときの感性を大切にしているから、立ち返ることはない。) - より深く考えることができる
→ (考えていてもしょうがない。まず行動することが大切だと思っている。) - 相手に納得してもらいやすくなる
→ (言葉より実物を作った方が納得してもらえる。また、共感してもらえる人にだけ共感してもらえればよい。)
僕のこれらの反論は、別に間違っているわけではないですよね?
では、なぜ言語化は大切だと叫ばれるのか?
僕の考えと一般的な考えとの間にある隔たりは何なのか?
僕はこの疑問の解決に、だいぶ長い時間を要しました。
そしてたどりある答えにたどり着きました。
それは
「前提条件が違った」
からです。
実は、一般的に言語化を重要とする理由は「会社員の立場」から考えたものであり、僕自身の反論の根底にあったのは僕が目指す「起業家像」だったのです。
会社員はどんなプロジェクトであっても進める際には必ず誰かから「承認」される必要があります。
そして「承認」を受けるにあたっては、相手に納得してもらう必要がありますし、そのためには深く考えることが必要です。
また物事を深く考えていると、思考が混乱していきますので、そもそもの問題が何から始まっていたかなどを振り返る、原点に立ち返る必要等も出てきます。
だからこそ、「言語化」の大切さが叫ばれているのです。
一方で、僕は「起業家」を目指しています。
起業家には「物事を深く考え、それを元に事業をする」人もいれば、「とりあえず行動し、その経験から改善する」人など、本当に多種多様なタイプの人がいます。
そして、その中でも僕が目指すのは、「とりあえず行動し、その経験から改善する」人でした。
これは僕の実家が自営業だったことが大きく影響しています。
実家の顧客には、事業をしている方たちが結構いまして、その人たちとお話をする機会がたまにあったのですが、
そのときのことを振り返ってみると、特に「言語化能力」が高くなくても事業を成功させている人が多くいて、僕はそのような方達に憧れていたのです。
だからこそ、僕は「言語化の重要性」を論理的にも体験的にも納得できず、その結果「言語化の重要性」を理解するまでに時間がかかってしまいました。
言語化の重要性を認識したきっかけ
ではそんな僕がどのようにして「言語化の重要性」を認識したのか。
それは簡単なことで「他人を説得して活動する必要に迫られたから」です。
具体的な経験を挙げます。
- 研究室に所属し、指導教員を説得する必要が生じた
- 友人ら(研究室の先輩・後輩・同期)と込み入った話をするようになった
- 高額な給付型奨学金に応募するために資料作りが必要になった。
これら全てで、自分の考えていることを言語化し、相手に説明する必要がありました。
そして、これらの経験を通して「言語化の重要性」を認識し、練習(実践)を繰り返すことで、昔は苦手だった言語化を少しずつできるようになっていきました。
今となっては、ブログで自分の考えていることを簡単に言語化するくらいまでにはなっています。
ただもちろん、自分の言語化能力はまだまだ低いですし、まだまだ訓練が必要だと感じています。
言語化能力はどんな人を目指すにしても必要
僕の目標は起業家になることだという話はすでにしましたが、
そんな僕でも「言語化の重要性」を認識した今では、「言語化能力」はどんな人を目指していても必要だと考えています。
理由は以下の3つです。
- 他人を説得することができれば、より大きなことを成し遂げられる
- 優秀な人材と一緒に活動するためには必須なスキルである
- 自分の考えを文章として残せることに大きな価値がある
1つ目については、自分一人でできることには限りがあるということです。
それは自分に共感してくれる人が数人いても同じことです。
「数は力」とはよく言ったもので、人数が多いほど有利になります。
その意味で、他人を説得し仲間を増やすことができれば、どんなことでも成功する確率が上がります。
2つ目は、優秀な人材と活動をする際には、通常よりもより正確な「認識のすり合わせ」が必要になります。
そしてその「認識のすり合わせ」の際には、自分の考えを言語化することが求められます。
認識のズレは、全く見当違いの成果を生んでしまうこともありますし、仲間割れの原因にもなってしまいます。
3つ目は、感性で動くタイプの僕は当初、「過去は振り返らず、今の感情に従って生きるタイプだから、文章として残しても意味ないよ」と思っていました。
しかし、実際に言語化するようになってから、自分に関して今までになかった気づきや発見を良くするようになります。
そして、「直感ではこうだと思っていたけど、本心ではこう考えていたんだな」というような場面が増えていきました。
言語化能力が上がると、自分の本心がより鮮明になるのです。
そして本心が鮮明になればなるほど、より効果的な行動を取れるようになっていきました。
言語化能力の鍛え方
これについては、実践あるのみです。
なので、とにかく実践の場を増やすことを意識しましょう。
社会人であれば、
- 友人らとイベントなどを企画する
- 会社でプレゼンする機会を増やす
- ハッカソンなどの他人と議論できる場に参加する
- ブログを書いてみる
学生であれば、
- 給付型奨学金などに応募する
- インターンシップに参加する
- 学会などの議論の場に参加する
- ブログを書いてみる
などがあります。
また言語化能力の高い友人と話をするのも良いです。
僕にはK君という友人がいるのですが、彼は言語化能力が非常に優れています。
その彼とはよくイベントの企画をしたり、事業について話し合ったりしており、僕はその過程で彼から多くのことを学んでいます。
このように参考にできる人、目標とできる人が近くにいると、より言語化能力を成長が促進されます。(心理学的には、発達の最近接領域と言ったりします。)
ちなみに彼は先天的に高い言語化能力を持っていたというよりかは、努力でその能力を鍛えていったと僕は思っています。
まとめ
ここまで読んでいただき、少しは言語化能力を鍛えようかなと思っていただけたでしょうか。
そうであれば幸いなのですが、一つ残念なお知らせがあります。
実は僕の経験上、言語化能力はすぐには上がりません。
今現状として言語化能力がほぼないと自分で思うのであれば、まともに言語化できるようになるまでにはおそらく2年近くはかかると思います。
僕自身、言語化能力を鍛えなくてはと思ってから2年ほどである程度まともに言語化できるようになり、今は3年半ほど経ちますが、未だにまだまだ全然ダメだなと感じるときが多いです。
もちろん「言語化能力」はなくても生きてはいけますが、あればとても強力な武器になります。
なので、今からでも僕と一緒にコツコツと毎日「言語化能力」を鍛えていきましょう。