今回は、先日書いた「給付型奨学金を獲得するためのコツ(マインドセット編)」の続きとなる「テクニック編」です。
もしまだ「マインドセット編」を読んでない方は、そちらから読んでいただいた方がこちらの「テクニック編」をより理解しやすいと思うで、まずはそちらを読んでみてください。
またnoteというサービスで、僕が作成し実際に審査を通過した文章を有料ではありますが公開しています。実例文を参考にしたい方はこちらもご確認ください。
一応、マインドセット編を読んでいない方が、僕のことを「給付型奨学金」についてのエントリーを書く資格があるのか判断する際に必要だと思われる情報を再度書いておきます。
僕は、学生の間に給付型奨学金や授業料免除等で700万円以上のお金を獲得してきました。
以下がお世話になった財団等をまとめたものです。
- 日揮・実吉奨学会
- 三輪正人育英会
- 昭和池田記念財団
- トビタテ留学JAPAN
- 大学(授業料免除)
- 日本学生支援機構(大学院生時の奨学金全額返還免除)
以上の情報で、僕がこのエントリーを書く資格があるのか判断いただけたらと思います。
さて、ここから本題です。
給付型奨学金を獲得するためには、応募書類を作成する必要があります。
また、応募する財団によってはプレゼンをする必要があったりもするので、プレゼン資料を用意することもあるでしょう。
基本的には「応募書類の書き方」と「プレゼン資料の作り方」で求められるテクニックは同じです。
どちらの場合も、本エントリーの内容を意識しながら準備すれば、少なくとも作成した書類のせいで落選することは、僕自身の過去の経験から間違いなく”ない”と断言できます。
なので、気になる方はぜひ読んでみてください。
では「テクニック編」、スタートです!
応募書類を準備する際に求められること
給付型奨学金を応募したいと思う人たちの多くは、お金に困っている人だと思います。
そのため、応募書類に自分の「思いの丈」を目一杯詰め込む人がいますが、実はそのやり方は間違っています。
というのも、書類作成で重要なことは「思いを論理的に説明し、読み手(書類を審査する人)に”如何に自分が給付型奨学金を必要としているか”を納得させる」ことなのです。
この点を意識せずに書類を作成しても、書類審査を突破することはできません。
ではどのように書類を作成すればよいのでしょうか?
以下に書類作成のコツをまとめます。
- 財団がどんな人材を求めているかを意識する
- 話のストーリーを考える
- 話の構成を意識する
- 数字を使う
- 写真などを使って直観的にわかりやすくする
- シンプルな文章を書く
- 自分自身や自分のやっていることを凄そうに見せる
これらについて、1つ1つ詳細に説明していきます。
財団がどんな人材を求めているかを意識する
みなさん、大学等から渡される応募書類や財団等のウェブサイトを確認してみてください。
そこに「財団が求める人材像」が書いてありませんか?
多くの場合、「財団が求める人材像」やそれに近いことが書いてあるはずです。
応募書類を作成する際は、その人材像を意識しながら自分のことを書きましょう。
例えば、「トビタテ留学JAPAN」という留学したい人向けの奨学金では、報道発表用の資料から以下のような人材を求めていることがわかります。
- 世界の人々との交流を通じた経験から学ぼうとする意欲
- 社会のために貢献したいという高い志
- 自らの志を具体化するための思考力と行動力
- 失敗から試行錯誤しながらも挑戦し続ける強い精神力
- 様々なことに好奇心、探究心を有し、未知の領域に対しても果敢に挑戦する姿勢
- 集団活動においてイニシアチブをとり、周囲を巻き込む能力
そこで書類を作成する際には、自分自身がこれらを満たすような人材であることを審査する人にわかってもらうような文章を書きましょう。
人によっては、「”社会のために貢献したいという高い志”は持っていないので、ウソはつけません。」というような律儀な方がいるかもしれません。
そんな方たちは、ちょっと立ち止まって考えてみてください。
あなたは将来何かしらの仕事に就き、働くつもりですか?
もし少しでも働くつもりと考えているなら、「社会のために貢献したいという志」を少なくとも持っているということになります。
「働く」とは、たとえ賃金をもらったとしても「社会に貢献する」ということですからね。
また「高い志」というところに引っかかる人もいるでしょう。
でも高い・低いとは何を基準に判断するのでしょうか?
あなたにとっては”低い”と感じる志でも、他人から見たら”高い”ことってありますよね。
なのでそんなに深く悩まずに、自分自身が財団が求める人材であると主張してよいのです。
あくまであなたが「求める人材」に値するかを判断するのは財団側です。
自分でその人材に値するか判断する必要はありません。
あなたにとっては話を盛っているように感じても、傍から見て”絶対的なウソ”でないなら、それは書いてOKなのです。
もちろん経歴の詐称など、傍から見て”絶対的なウソ”であることは書いてはいけませんよ。
ストーリーを考える
財団によっては、単に経済的に苦しい人にお金をくれるのではなく、将来の夢やその人の志に対して投資するというようなタイプの奨学金を出していたりします。
例を挙げると、前出の「トビタテ留学JAPANの奨学金」や「昭和池田記念財団の奨学金」「クマ財団のクリエイター奨学金」、「とかち財団の学生起業家育成奨学金」などです。
このような人材への投資的な側面を持つ奨学金の場合に特に重要視されると考えられるのが、書類の”ストーリー性”です。
少なくとも「トビタテ留学JAPAN」と「昭和池田記念財団」については実体験からストーリー性が求められました。
「トビタテ留学JAPAN」では、将来○○な人材になり、◎◎で社会に貢献したい。だから□□を学ぶ必要がある。そのために△△という国の✕✕という機関に留学する。というストーリー性が求められます。
また「昭和池田記念財団」では、○○という問題を解決するために、現在△△を研究している。しかし、家庭の経済状況が悪く一人暮らしができないため、実家から長時間掛けて通学しており、ゆえに研究に没頭できない。奨学金をいただければ、お金の心配をせずに一人暮らしができ、研究に没頭できる。というようなストーリーで話をしました。
このように、ストーリーを考えて書類を作成します。
どんなストーリーで書くかは、「財団が求める人材像」から考えましょう。
話の構成を意識する
作文やスライドづくりが下手な人に多い特徴として、「話の構成を考えない」ことがあります。
少し考えればわかることですが、書類を審査する人たちは、何百人、何千人の書類を見ることになりますよね。
なので審査員たちは、1人分の書類を1,2分、もしかしたら数十秒程度で読んでいくことになるわけです。
そして、その書類から数十人、ときには数人を選ぶことになります。
そんな短い時間で自分のことをアピールしなくてはいけないとなると、ただ単に自分の思いの丈をつらつらと文章にして送っても、審査員の目には留まってくれません。
重要なのは、審査員が「この書類はちゃんと読もう」と思うような文章を書くことなのです。
もし審査員に読むに値すると判断されれば、あなたの書類はちゃんと時間をかけて読んでくれるはずです。
と言いますか、まともな文章を書いている人を審査員も書類審査の段階で簡単に落とすわけにはいかないのです。
これも少し考えればわかります。
基本的にこのような審査では、「まともな応募者を選定する人」と「その中から最終的な奨学生を決める人」の2タイプの方が関わっています。
そして当たり前ですが、前者より後者の方が階級的には高い(偉い人な)わけです。
ということは、前者は「まともな文章を書いている人」を落とすことができません。
だってもし間違えて「まともな人」を落としたりでもしたら、後者の方に怒られてしまいますから。
なので「まともな文章を書いている人」であれば、前者の審査員も後者の偉い人に判断を委ねようと思うはずなので、基本的に次のステップであるプレゼン等に行くことができます。(経済状況(親の年収など)で足切りを受ける可能性はありますが…)
そしてそのプレゼンのときに後者の偉い人が出てくるのです。
ちょっと話が逸れたので戻します。
では、まともな文章はどのように書けばよいのでしょうか?
これはとても簡単な話です。
基本的には「文章の”かたまり”を意識して」文章をかけばよいのです。
そして、「文章型で書いた方がよいか」と「箇条書きで書いた方がよいか」も考えましょう。
詳細を3つの例題を用いて説明します。
(例1)
質問:
あなたが大学生活で熱心に取り組んだことはなんですか?
回答:
私は●●と■■に力を入れて取り組みました。(主張)
●●については、~を行い、~という結果を残しました。(具体的な話1)
また■■については、~を行いました。(具体的な話2)
これは”かたまり”が「主張」と「具体的な話」であり、文体は文章型で書いている例です。
(例2)
質問:
困難を克服した経験を教えてください。
回答:
①<▲▲>
私は~という問題に直面しました。その際に~を考え、結果的に▲▲を行いました。(具体例1)
② <◆◆>
私は以前参加した~で、◆◆という経験をしました。その際に~という問題に直面し、その問題を~を行うことで解決しました。(具体例2)
これは”かたまり”は具体的な話のみで、箇条書きで書いている例です。
①、②と番号付きの箇条書きにより、構成が分かりやすいものになっています。
(例3)
質問:
あなたの研究テーマがどのように社会に影響を与えるのかを教えてください。
回答:
私は研究で○○を行っており、これは▼▼と★★の解決に役に立ちます。(主張)
▼▼については、私の研究には~という特徴があり、これが成功すれば~が実現できるようになるので、将来的に▼▼の問題を解決することに繋がります。(理由1)
また★★についても、私の研究を応用することで~ができるようになると考えられるため、結果的に★★の解決につながる可能性があります。(理由2)
これは”かたまり”が「主張」と「理由」であり、文体が文章型となっている例です。
ここで示した例題以外にも色々な書き方があります。
ですがその他の書き方も含め、基本的には、
「”かたまり”を意識して書くこと」と、「文章型か箇条書き型のどちらがよいか選ぶこと」に
集約されます。
たったこれだけで、一目見ただけで理解できる文章となります。
「文章型」と「箇条書き型」のどちらを使うかの判断は見やすい方を使うとしか言えませんが、僕は申請書類の形式に応じて変えていました。
特に形式の指定がなくA4一枚以内での説明をもとめられたときは「箇条書き型」を選択し、形式がすでに決まっており、この形式は文章型を前提としているなと感じたときは「文章型」で書いていました。
念のため、ダメな文章の例も示しておきましょう。
(ダメな例)
質問:
あなたが大学生活で熱心に取り組んだことはなんですか?
回答:
私は大学時代に■■サークルに属し、●●活動を行ってきました。そのサークルでは、毎日大学の授業が終わった後に●●活動のためにみんなで練習を行い、夏休みなどの長期休暇では合宿も行ったりしました。また、私はその合宿の企画・準備を行ったりもしました。…(以下続く)
この文章のダメなところがおわかりでしょうか?
一言で表すと、文章が簡潔でなく、何を熱心に取り組んだのかが一目でわかりにくいということです。
熱心に取り組んだことが、「●●活動」なのか、それとも「授業後の練習」なのか、はたまた「合宿の企画・準備」なのか、パッと一目見ただけではわからないのです。
あなたが思っている以上に、審査員は優しくありません。
感情がこもっている文章でも、言いたいことが何なのかハッキリしない文章は、即落とされます。
その点を意識して、審査員が一目で応募者の伝えたいことがわかるような文章構成で書類を作成しましょう。
数字を使う
何度も言いますが、給付型奨学金の申請では、自分が審査員に奨学金を必要としていることを納得させる必要があります。
そのためには、奨学金が必要な理由を定量的に(数字で)示すことが大切です。
ここでもまた例を使って説明します。
どちらの例の方が、より説得力があるかを考えながら読んでみてください。
(例A)
私の両親は収入が少なく、また弟が私立の高校に通っているため、家庭の経済状況が悪いです。
今のままでは、私は毎日バイトをして学費や生活費を稼ぐ必要があり、勉学に集中することが難しいです。そのため、貴財団から奨学金をいただけたらと思っています。
(例B)
私の両親は収入が合わせて400万円と少なく、また弟が私立の高校に通っているため、年間80万円の学費が掛かっています。そのため家庭の経済状況が悪く、親からの金銭的援助が当てにできないため、自分で大学の学費120万円を賄う必要があります。現状では、私は毎日4時間ほどバイトをしなくてはならず、勉学に時間を割くことが難しい状況です。そのため、貴財団から奨学金をいただき、今バイトに費やしている時間を勉強に充てたいと思っています。
さて、どちらの例がより説得力があるでしょうか?
間違いなく、後者の(例B)ですよね!
では、この説得力の違いはどこから生まれるのでしょうか?
それは「数字の有無」です。
前者の(例A)は、数字を使わずに自分の置かれている状況を説明しています。(これを定性的と言ったりしますね)
一方で、後者の(例B)は、数字を使って説明しています。(これは定量的と言ったりします)
この数字を使うかどうかで説得力が大きく変わるのです。
また、少し話を大きくすると、実は説得力のある文章を書くためには、具体的な話をするということが重要なのです。
数字を使うということは、具体的な話に落とし込むということ。
「説得力は具体性に宿る」と「数字を使う」
これは覚えておきましょう!
直観的にわかるようにする
人間にも集中力の限界というものがあります。
そして、それは審査員も例外ではありません。
特に、ものすごい数の書類に目を通す必要のある審査員は、頭も体もヘトヘトなはずです。
そんな疲れている方たちを相手に、僕たち申請者は書類を準備するのです。
なので、図や映像を積極的に使って、なるべく審査員の方が頭を使わず「直観的に」内容が理解できるように工夫しましょう。
もちろん直観的に理解させることが難しい場合もあります。
そのときは最低限、なるべく頭を使わずに審査員が理解できるようにしてください。
そうすることで、直観的に理解できたあなたの書類は、その他の理解が難しい書類よりも、審査員の記憶に残りやすくなります。
結果、審査を通過する可能性が上がります。
そして言わずもがな、書類のイメージが良いということは、あなたのイメージが良くなることに繋がります。
また、理系の人がよくやりがちなことに、
「研究内容などを正確に伝えようとして、結果的に専門家でない審査員には理解できない文章を書いてしまう」
ということがあります。
これでは本末転倒です。
文章は読み手に理解されて初めて価値が出ます。
伝えたいことを100%正確に書いた文章でも、読み手が20%しか理解できないのであれば、その文章の価値は20%分しかありません。
しかし一方で、40%程度しか正確に書いていない文章であっても、その40%が伝わり、相手が理解してくれたのであれば、その文章の価値は40%になるのです。
また読み手が理解しやすい文章を書くためには、読み手となる審査員がどんな人なのかを意識することも大切です。
私の経験上、理系人材を支援する財団であっても、審査員の方たちには理系分野のことが全く分からないと思われる人もいます。
また、ある審査員の方は化学系出身のエンジニアの方であったり、別のある方は工学系出身の営業の方であったりと、
一概に審査員といっても、その方々の専門としていることは本当にバラバラです。
なので、なるべくどんな審査員の方にでもわかるような資料をつくりましょう。
僕自身、「昭和池田記念財団」でのプレゼンでは、なるべく専門用語を使わずにプレゼンをしました。
そして研究内容をどんな人が見ても理解できるように、動画や画像を多用し、審査員の方が目で見て、直観的にどんなことをやっているのかをわかるようなスライドを用意しました。
また「トビタテ留学JAPAN」の書類準備やプレゼンでも同様に、画像を使ってわかりやすく、また専門用語を使わずに(どうしても使う場合はちゃんと説明をします)、留学内容等を説明しましたね。
余談になりますが、僕が「昭和池田記念財団」で報告会を行った際に、他の奨学生の発表を聞いていて感じたことがあります。
それは奨学生の準備した研究成果の報告用スライドが、
「かなりわかりやすく噛み砕き、図などを使うことで研究内容を誰が見ても一目でわかるようにしたもの」と、
「少し噛み砕いただけの説明になっており、図はあくまで実験内容や実験結果を示すために用いられ、結果的に専門知識のある人しか理解できないもの」に
分かれていたことです。
そして、
前者の場合は審査員のなかにその分野のことをわかっている人はおらず、
一方で後者の場合は審査員に専門知識のある方がいたということです。
このことからも僕は、
誰が見ても研究内容がわかるスライドや資料を用意すれば、審査員に専門家がいなくでも審査を通るということになり、結果的に審査を通過する可能性が高くなる
と考えています。
一方で、
専門知識のある人にしかわからないスライドや資料を用意すると、審査員に専門知識のある人がいれば問題ないが、いなかった場合には審査を通過する可能性が低くなるのではないか
と思っています。
もちろん専門分野の学生を応募対象者としている財団もあるので、一概には言えないのですが、
多くの財団では、「審査員の中に専門家がいないことを前提に資料を用意したほうがよい」でしょう。
シンプルでわかりやすい文章を書く
こちらも審査員が頭を使わずに読める文章を書くという意味で、シンプルでわかりやすい文章を書こうということです。
僕も含め、多くの人に、文章が無駄に長くなるという傾向があります。
別にブログやツイッターなど、好きに発言するような場合は、文章が長くなっても問題ありません。
しかし、奨学金の申請や論文など、相手に理解してもらうことを重要視している場合は、文章はシンプルに短くまとめることを意識しましょう。
例を使って説明します。
(例A)
私は現在、給付型奨学金を獲得したい人向けに「給付型奨学金の応募書類の書き方のコツ」をまとめたエントリーを書いており、お金に困っている多くの学生にこのエントリーを読んでもらえたらなと思っています。
(例B)
私は現在、「給付型奨学金の獲得するためのコツ」についてエントリーを書いています。経済的に苦しい学生にこのエントリーを読んでもらいたいです。
もともと例題の文章が短いこともあり、両者の違いがわかりにくいかもしれませんが、後者の文章の方がシンプルに短くまとまっており、少しわかりやすくなっていませんか?
これらの文章の違いは2つあります。
- 言葉の重複を避ける
- 短文の組み合わせになっている
- 蛇足は捨てる
これらについて一つずつ説明します。
言葉の重複を避ける
これには、”言葉の意味”の重複も避けることが含まれています。
(例A)では「給付型奨学金」という言葉を2回使っているため片方を削除できないかや、
また「獲得」と「応募」という言葉を使っているが”獲得するためには応募することは必然”なので、もっと短くまとめられないか
などを考えるということです。
他の例では、本エントリーの中で「パッと一目でわかるように」という言葉を使っているかと思いますが、
「パッと」と「一目」の両方の言葉に”一瞬”という意味を含んでいるので、本来であれば「パッと見てわかるように」か「一目でわかるように」とすることが望ましいのです。
これは”重複表現”と言われており、避けたほうがより文章としてまとまりのよいものになります。
(ブログで細かいところを気にしていると更新速度が落ちるので、ブログでは気にせずに使ってしまっています)
短文の組み合わせになっている
(例A)では、「現状の説明」と「自分の思い」を一つの文でまとめて説明しています。
しかし(例B)では、「現状の説明」と「自分の思い」をそれぞれ1文ずつに分けて書いており、これにより読み手にとっては内容の読み取りやすい文章になっています。
このようになるべく短い文を組み合わせることで、わかりやすい文章を書きましょう。
蛇足は捨てる
(例A)では「多くの学生に」の”多く”や、文末の「読んでもらいたいと思っています」の”思っています”がなくてもよい文(蛇足)になります。
ここは、単に「多くの学生」、「読んでもらいたいと思っています」と書いた方がスッキリします。
この3点に注意して、なるべくシンプルでわかりやすい文章を書きましょう。
自分自身や自分のやっていることを凄そうに見せる
これについては、多くの日本人は抵抗を覚えるのではと思っていますが、この「凄そうに見せる」というのは非常に重要です。
あなたが投資家なら、”常に堂々としている人”と”いつも自信のなさそうな人”、どちらの人に投資したいと思いますか?
明らかに前者ですよね?
給付型奨学金は、単に家庭の経済状況が苦しい人を支援する目的ではありません。
将来社会で活躍できるポテンシャルのある人(と言われると身構えてしまいますが、ちゃんと働いて社会に貢献する人というくらいのイメージです。)で、でも経済状況が苦しく、学ぶ機会が閉ざされてしまっている人に投資するという側面を持っています。
その点を考えると、審査員に「この人に投資したら、きっと社会に貢献してくれる」と思ってもらえるような人物でいることは大切です。
では、具体的に何をすればよいかをお話します。
行動
- ハッキリとした声で話す
- 姿勢を正す
- さわやかに話す
- 清潔感のある服装にする
というところでしょうか。
これらについては、詳述しなくても言いたいことはわかると思いますので、詳しくは話しません。
つまるところ、大学を卒業した後に、労働や研究活動を通して「社会に貢献する人材になる」という雰囲気を醸し出すということです。
醸し出すというとちょっと大げさですが、大半の人は問題なくこれらの行動ができていると思います。
正直なところ、これらについては僕自身も意識してやったことはありません。
それでもこのエントリーで取り上げたのは、たまにできていない人がいるためです。
書類準備
- 自分が行っている活動(研究など)やその目的を盛って話す
- 行った活動のプラスの側面について話す
- 行った活動のマイナス面については触れない(触れたとしてもプラスにもっていき終わる)
ことが挙げられます。
これらについては、自分の経験を例にしてお話します。
僕は大学で研究をしていました。
その研究は、「工場内の3Dデータを自動で取得するロボットを開発する」ことなのですが、
正直、「工場のデータを取得する」と言われても”凄さ”を感じませんよね?
研究のイメージもつかないと思います。
そこで”凄さ”を演出するときは、
「Googleマップの3D版を自動で作るロボットの開発をしています」
というような感じで伝えていました。
決してこれ、ウソはついていません。
特に技術的な要素で考えますと、
実際に屋外の3Dデータを取得することも可能ですしね。
ここでは、「Googleマップ」という権威のある言葉を使うことで”凄さ”を盛っており、
かつ「Googleマップ」は誰でもどんなサービスなのかを知っているので、
結果的に僕の研究がどのようなものか想像しやすくなります。
このようにウソはつかずに、使う言葉を選ぶことで”凄さ”を演出します。
他にも、とある地方創生インターンシップで市長に政策を提案した経験について話をした際には、
「市長から高評価をいただきました。」
という旨の話をしたのですが、
実際は「高評価はいただいたものの、政策の実施には至らなかった。」のです。
ですが、マイナスの印象を与える「政策の実施には至らなかった。」という部分には触れずに話をします。
このように言葉の取捨選択をすることで、審査員にプラスのイメージを与えることができます。
まあ個人的には、ウソはついていないものの、全ての事実を話していないため引け目を感じてしまうのですが…(奨学金を獲得するためにはやむを得ないという苦渋の決断であります…)
何度もいいますが、ウソはついてはいけません。
「提案した政策が実施されました」と言ったらアウトです。
ウソはばれますよ!
その点は注意してください。
ちなみに、このような凄さの演出はよく企業でもやっています。(特にマーケティングや営業で)
最近では「人工知能」や「AI」という言葉を使って、昔からある技術を”凄そう”に見せているパターンが多いですね。
企業としては、機械(PC)が自動で判断していれば、「人工知能」と呼んでいいだろうという認識なんだと思います。(個人的には許せないのですが)
そしてこの傾向は特に「日本」の企業に強いなというのが実感です。
そして残念なことに、多くの人はそのような企業のうたい文句に騙され、凄いと思ってしまうのです。
まとめ
今回の「テクニック編」では、僕が給付型奨学金等の書類を準備する際に常に意識していることや、必須だと思っているテクニックをまとめました。
基本的に、ここに書いてあるテクニックや注意点をマスターすれば、高確率で審査に通ります。
自分で言うのも何ですが、かなり自信があります。
それでも読者の皆さんの中には、テクニック自体はわかっても、自分じゃ書けないって方も多いかもしれません。というか多いと思います。
私も何回もトライ&エラーを繰り返し、満足のいくレベルの文章を書けるようになるまで4年近く掛かりました。
もし少しでも早く上達したい方や、実際に審査に通った文章を参考にしたい方がいましたら、有料になってしまいますが、こちらを参考にしてみてください。
そして、実はこのエントリーにまとめた内容は、そのまま就活や転職の際にも使えます。
事実、僕自身少なくとも企業の書類審査で落ちたことはありません。
(奨学金は1財団だけ落ちました。詳しくは「マインドセット編」をご覧ください。)
本エントリーに出てきた外資系IT企業の書類審査も通りましたよ。2回目の面接で落ちましたけどね…
なので、このエントリーで紹介したテクニックはかなり汎用性の高いものになっています。
奨学金と就活・転職で少し異なる箇所としては、「どんな審査員が見ても理解できる資料を作る」というところです。
就活や転職の場合は、「書類を見る人がどんな人なのか(人事の方なのかエンジニアの方なのか等)を考慮し、その人に合わせた資料を作る」ことが求められます。
この点以外は、奨学金や就活・転職に関係なくそのまま利用できますので、ぜひ参考にしてみてください。
もしこのエントリーが少しでも役に立ち、結果的に審査に通ったという人がいれば、ツイッターでご連絡いただけると嬉しいです。
僕は泣いて喜びます!(笑)
それと、伝えたいことが多すぎたことと、急ピッチで書き上げたということもあり、本エントリーにはわかりにくい箇所もあるかと思います。
「この箇所、言っていることがわからない」等のご意見があれば、可能な限り対応しますので、その際もツイッターでご連絡をいただけたら幸いです。
以上になります。読んでいただき、ありがとうございました。
まだ本エントリーの前編である「マインドセット編」のほうを読んでいない方がいましたら、そちらもぜひ読んでみてほしいです。
よろしくお願いします。
※ 本エントリーは、僕の実体験に基づいて書いたものであり、正確でない情報が含まれているかもしれません。もし読者が本エントリーを参照したことで不利益を被ったとしても、当方では一切の責任を負いかねます。その点はご了承ください。