みなさんは、「プランB」という言葉を聞いたことはありますか?
プランBとは、日本語でいうところの「代替案」のことです。
この「プランB」という言葉、僕がアメリカのスタートアップ企業にいたころによく使っていました。
今回はこの「プランB」についてお話します。
「プランB」とは
世の中の多くの人って1つの計画(プラン)だけで行動することが多いです。
そして、そのプランが失敗すると「どうしたらいいのか」を考え、次のプランに移るというように行動しています。
しかし、ビジネスをする上(より活動的に行動する上)では、このテンポ感だと遅いのです。
そこで用意するのが「プランB」。
これはあらかじめ失敗を想定して、「代替案」を用意しておくということを意味しています。
そして別にプランBは複数あってもOKで、通常はプランC、プランDというように複数案用意しておきます。
具体例を2つ用いて説明します。
まずは学生向けの具体例です。
① 学生向け
あなたは今年、大学1年生になりました。
そんなあなたは大学生活に満足していません。
理由は、周りの学生は授業もちゃんと受けずに、毎日遊んでいるような人ばかりだからです。
サークルに入っても飲み会ばかりで、自分の成長を感じられません。
こんなことを感じる人は、少なからずいるのではないでしょうか?
そんなときに、もしあなたが入学前からプランBを用意していれば、すぐに別の行動に移すことができます。
下記が、私が用意すると思う「プランB(代替案)」です。
プランB:専門的な勉強をする(プログラミングなど)
プランC:授業の合間に近くのベンチャー企業でバイト(インターン)をする
プランD:イベントを企画・開催する
プランE:ビジネスを始める
このような「プランB(代替案)」を複数用意しておけば、大学生活がつまらないと感じたときに、すぐ次の行動を起こすことができます。
次は社会人向けの具体例です。
②社会人向け
あなたは、新しく「プログラミング教育」のイベントの企画責任者になりました。
当初、このイベントでは実際にPCを使ってプログラミングを体験してもらう予定でした。
しかし、実際に割り当てられた予算が見積もっていた額より大幅に少なく、このままではイベントを開催することができず焦っています。
このとき、もしイベント責任者になった時点で、予算が少なかったときを想定しプランBを用意しておけば、焦らずプランBに移行することでスムーズに行動を進めることができたのです。
この状態で、僕が用意するであろう「プランB」は以下になります。
プランB:中古のPCを使うことで、費用を抑える
プランC:PCの台数を参加者の半分にし、前半チーム・後半チームに分け、交互にプログラミングを体験する。残りのチームはプログラミングに関するゲームをする。
プランD:プログラミング体験は諦めて、プログラミング教育の講演会に変更する
このように、代替案を用意しておけば、決められたイベント日までの限られた時間で最大のパフォーマンスを発揮することができます。
「プランB」の「プランB」
また「プランB」の「プランB」を用意しておくことも大切です。
例えば、学生がつまらない学生生活を変えるために「自分でプログラミングを勉強する」というプランBを用意したとしましょう。
その際に、さらに「独学でできなかった場合」も考えておきます。
独学でできなかった場合は「スクールに通う」や「プログラミングを勉強する仲間を探し一緒に勉強する」などの「プランBのプランB」も用意することで、さらに行動を止めずに行動できるようになります。
このように「プランB」の「プランB」を用意しておくと、さらに効率よく行動することができます。
「プランB」のメリット
プランBを用意するメリットは大きく3つあります。
- プロジェクト(活動)を止めることなく、進めることができる
- 精神の安定を得ることができる
- 視野を広く保つことができる
これらについて1つずつ説明していきます。
プロジェクト(活動)を止めることなく、進めることができる
特にビジネスでは、作業を止めないことが非常に大切です。
これはビジネスでは、作業が止まった時間も人件費などが掛かるため、「作業が止まった=損失」になるからです。
またビジネスは通常、複数の人が関わります。
1工程が止まるだけで、その他の工程にも影響するため、他の人に迷惑をかけることにもなります。
そして、実はこのメリットはビジネスだけでなく全ての場面で当てはまります。
人間誰しも、時間は有限であり、効率よく動くこと自体が大きなメリットを生みます。
効率よく動き作業時間を減らすことができれば、自分が自由に使える時間は増えますしね。
「限られた時間で最大の成果を上げる」ためにも、プランBは用意しておくことが重要なのです。
精神の安定を得ることができる
個人的には、このメリットが一番大きいと考えています。
正直、自分でビジネスをやっている人以外は、本当の意味で会社の損失まで考えて行動している人は少ないように思います。
多くの人は、損失を出すと「上司に怒られる」や「自分の評価が下がる」から損失を出したくないと考えているのではないでしょうか。
そのような人たちにこそ「プランB」は役に立ちます。
「このプランがダメでも、次のプランがある」と思えるだけで、「まだまだ大丈夫」という思考になるので精神的にとても安定します。
これは実際に「プランB」を用意して行動すれば、すぐに実感することになると思います。
僕自身、プランBを用意しているからこそ、失敗する可能性が高いと言われる起業家の道を進むことができています。
ちなみに僕のプランBは
- 教員、もしくは塾講師になる(教員免許持ち)
- エンジニア職に就く(アメリカで実際にエンジニアとして働いた経験あり)
- PM職に就く(友人とWEBサービス立ち上げ中、大学院では一からシステムを開発)
です。
もし事業に失敗しても、これらのプランBで生きていけるという考えがあるからこそ、僕は起業家の道を選ぶことができました。
そうでなければ、楽天家である僕でも怖くて行動に移せなかったと思います。
視野を広く持つことができる
人は一つのことに集中していると、枠に囚われ、なかなか新しいアイデアが出てこないことがあります。
そんなとき、別の視点から考えたアイデア(プランB)があれば「あ、こんな考え方もあったな」と振り返ることができます。
そして、その考え方を代替案としてではなく、1つのアイデアとして本案に取り入れることもできます。
これは視点が集中してしまう前に、プランBを用意しておくことのメリットだと思います。
とは言いつつも、他の2つのメリットが強すぎて、これはあくまでちょっとしたメリットぐらいの認識です。
「プランB」を用意する際の注意点
「プランB」を考える際にも注意点があります。
それは「プランB」は多ければ多いほど良いというわけではないということです。
重要なのは、”「プランB」はあくまで“限られた時間で最大限のパフォーマンスを発揮するため”のものであるということ。
プランBを作ることやその下調べに多くの時間を使うのは、逆に無駄な作業が増えることにもなります。
なので「プランBの必要性」と「時間の浪費」のバランスを常に意識して「プランB」を用意しましょう。
「プランB」の用意自体が目的にならないように気を付けてください。
最後に
「プランB」の良さや必要性は、理解していただけましたでしょうか?
実は「プランB」という言葉は、よく映画でも出てきます。
それくらい英語圏ではよく使われる言葉です。
「代替案」と日本語で言うとちょっとダサいので、せっかくなら「プランB」という言葉を一緒に使っていきましょう!
また今回紹介した「プランB」と一緒に、こちらのエントリーで紹介する「最低限のゴール」も意識して活動すると、物事を上手く進められるようになります。
この2つの組み合わせを使って、プロジェクトなどを上手く進めていきましょう。